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2009年 07月 22日
建築にかかる費用や時間・メンテナンスを考えれば、
平らで経年変化の少ない外装が望ましい。 そう考えた時、外壁にガラスを使うのは、 ひとつの選択肢だということが腑に落ちる。 ガラスはシンプルな表面を持つ工業製品であり、 外界の天候や内部照明に応じて色合いを変える。 衝撃には弱いが表面の剥落は生じにくく、 汚れさえ気にしなければ何百年でも持ち、 破損に対し部品交換で対応できる素材だ。 1869年に建ち、2005年から閉じている、百貨店・サマリタンズ。 ガラス建築を作ってみた結果はどうだったのだろう。 ボストンのジョン・ハンコック・タワーは、 外壁を鏡面にして景色に解け込もうとしたが、 鳥にぶつかられて困ると聞いた。 ガラス張りの建物は冷暖房費がかさむので、 低炭素社会向きでないという話も、最近新聞で読んだ。 東京で建築中のベルギー大使館ピルの壁面の一部は、 未完の段階ですでに蔓植物が這わされている。 「申しわけ程度」という感じは否めないが、 申しわけにもそういうことを試みる時代なのだろう。 全体が蔦におおわれた高層ビル。 春に芽吹き、花が咲き、夏には緑陰。秋になると 建物全体が赤くなり、ビルの周囲に大量の赤い葉が散る。 そんな現代建築を夢想する。 メンテナンスは複雑になるし、 虫だ病気だと薬を撒くのも問題だろうし、 「落ち葉が公害」と言われる今の東京では、 とても実現できないだろうが。 変化し続ける社会の要請と制限下で造られ、 長期間人の目にさらされ続ける技芸の成果・建築。 わたしの後半生、どんな新建築を目にすることになるのか。 不安半分・期待半分といったところか。 エッフェル塔。 1889年、フランス革命100周年記念の万国博覧会のために、 「金属産業の独創的傑作」として造られた。 色は例の、淡褐色。東京タワーよりずっとおとなしいが、 「エッフェル塔を見なくてすむ」場所として、 エッフェル塔のレストランに、作家モーパッサンは通ったそうだ。 紀元600年頃にギリシャで生まれ、 ルネサンス期に「再発見」された柱の列が、 十九世紀末にもまだ装飾として残っている。 コメント欄で、エッフェル塔に「柱列」があると教えくださった クミンさん、ありがとうございました。
by pippinrose
| 2009-07-22 09:20
| 外国
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Comments(4)
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クミン
at 2009-07-22 18:20
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ぴぴんさん、こんにちは^^。
↑の百貨店の写真、面白いですね! ガラスにうつった色々な形が不思議な幻想的な景色に見えます。 ガラスの建築と言えば、フィリップジョンソンのガラスの教会、 建物に植物を取り入れた建築と言えばエミリオアンバースが思い浮かびました。 ガラスの教会に行った時には、内部空間の圧倒的な美しさを感じましたが、確かにガラスの掃除と空調は難しそうでした。 アンバースさんの方はプロジェクトを発表する人で、まさか本当に建てるとは思わなかったのですが、なんと!福岡に実際に建ったというので見に行きましたね~。 どっちも、今はどうなっているのでしょう? 福岡のアクロス、今度行ってみようかな・・・。 ぴぴんさんのおかげで、ここ数年あまり考えないようになっていた建築の事をまた考える機会が出来ました。 ありがとうございます。
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ぴぴん
at 2009-07-23 09:09
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クミンさん 古いガラスの波打ちが、わたしは大好きです。
透かしても反射を見ても、世界が変わって見えわくわくします。 クリスタル・カテドラルに行かれたのですね。 数千人規模で集まれるとは、教会というよりコンサートホールみたいですね。 わたしは、規模のずっと小さい東京芸術劇場入り口屋根で既に、 「そうじがたいへんそう...」と思いました。^_^;) 内部空間が美しいですか。う〜ん... 行ってみたいです。 アンバースもアクロス福岡も知りませんでした。十年以上前に建ったんですね。 すごいなぁ〜! 木が生えていて丘のようですね。 わたしの「植物を取り入れた建築」のイメージは、 藤森昭信の「ニラハウス」だったので、これまたスケールの違いに驚きました。 東京なら「皇居の周りの建物はみんなこれ式に」すると、 景色が一変して社会的なアピールにもなりそうだなぁ... と、何の権力もない個人の夢想でした。 >ここ数年あまり考えないようになっていた えっ、そうだったのですか!? それでも経験として、身体の中に潜んでいるんですねぇ... そのおかげさまで、わたしも見聞が広がって気持ちがいいです。 こちらこそ、ありがとうございました!
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YOKO
at 2009-07-26 14:30
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ぴぴんさん、クミンさんこんにちは。
私も旅先で、おみやげにと画像だけはいろいろ撮影してきたのですが 中身の濃い話はできそうにありません。^^; アクロス福岡はパスポートの更新のときに行くくらいで 私にはあまり縁がない場所ですが、素敵な建物ですよね。 トンパ文字や民族衣装で楽しみにしていた麗江(リージャン)の町は 観光地化がすすみ、人ごみと夜間のイルミネーションですごかったです。 まるで初詣の神社の境内でも歩いているようでゆっくり見てまわることもできず 東巴(トンパ)古楽を鑑賞したあとは早々に宿に引き上げました。 宿は古くて良かったですよ。ぴぴんさんやクミンさんも興味を持ってみていただけるかもしれません。 中国の奥地もどんどん道路ができて便利になったからこそ、私でも行けたわけですが そのぶん消え去るものも数多くあるようで、むずかしいものですね。
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ぴぴん
at 2009-07-26 15:08
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YOKOさん おかえりなさい!
薔薇や青いケシの写真を拝見しました。いいなぁ〜 中国南部は氷河におおわれなかったので、植物相が豊かなんだそうですね。 アクロス福岡。旅券課があるのですね。 用事で出かける先があのようなところで、いいですね。 都庁の旅券課に至る道は、わたしには迷路のようです。 緑も無くて、疲れます。 わたしはいっこうに意識がフランスから戻って来られません。 脳が忙しくて、読書量も増え、このまま行くと倒れる危険水域に 近づいている自覚があります。 なのでこのところ、みなさんのところでコメントもしてなくて。 でも、YOKOさんのおみやげ画像はこの先も楽しみにしています。 リージャン、初詣の境内でしたか! 道が通ってうるおうのは外から来て商売する者で、 元から居るひとの居場所が無くなるというのは、 どこでもある程度起きることのようですね。 道はほんとにむずかしいです。
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