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2009年 08月 14日
八月三日の英字新聞 “Internatiomal Herald Tribune”一面は、
イラク帰還兵の自殺を報じていた。 「昨年の帰還兵の自殺数は192人。 イラク戦争が始まった2003年の2倍にのぼる。 今年は1月から7月半ばまでに、129人の自殺が確認されている。 同時期に戦闘によって死亡した兵の数より多い。」 数が増している理由はよく分からないそうだ。 ただ、多くの兵が事前に想像した以上のひどい体験をし、 その記憶が自殺の要因になっているだろうことは伺える。 七月二十七日の朝日新聞には、 1988年のニカラグア内戦から、 2003年の米軍イラク侵攻までの十五年間、戦場を取材し、 その後バグパイプ奏者となった日本人男性の言葉が載っていた。 「結局、戦争は破壊と殺し。 何かをつくることや育てることに比べて簡単で、 弾にあたるかどうかは運次第」。 かつては馬鹿にしていた平和な日本の社会を、 「行きていく環境としてはいいじゃないか」と、 今は思うようになったとのこと。 地上戦のなかった本土。 隣人と敵味方にはならなかった沖縄。 自分たちのようではなかった占領軍。 あやうい幸運の上に成った復興。 傷を負った証言者が世を去り、 彼等が痛みから解放される時、 瞬間的には気が晴れることもある博打に加わり、 痛みを語るひとをまたつくるのだろうか。 過去の恨みや現在の憤りを鎮め、 体験の欠如を知識と想像力でおぎない、 作ったり育てたりする地味な仕事に就くのだろうか。 想像力の働く方向はひとによって違うし、 暴力は賽の河原の石積みを一撃で崩す。 彼岸も此岸も、短気が力をもつと恐ろしい。 虹。 今週の記事は硬い内容だった。 更新回数を減らすとこんなものだけが残ってしまうのか、 八月だからこうなるのかは、まだちょっと分からない。
by pippinrose
| 2009-08-14 09:55
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