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2010年 12月 22日
「すべての宗教のうちに、
本来その中核をなすものとして生きているものであり、 それなしでは宗教とはまったく言えないようなもの」(p.20)を 抽出して指し示すのにふさわしい名称として、 オットーは「ヌミノーゼ」という言葉を作った。 以下の引用は、ひとが 「ヌミノーゼ」を体験している時の感情である、 「戦慄すべき神秘」についての記述。 * * * * 「この感情は、ある場合は、 穏やかな満ち潮のようにゆっくりと心情を満たし、 静かで深い敬虔の念を抱かせることができる。」 「一方、この感情は突然強い衝撃と震撼を伴って 魂から噴出することもある。」 「この感情は、荒々しい魔神的な形をとるし、 ほとんど幽霊的な恐怖、戦慄へと沈みこみうる。」 「この感情は、被造物であるがゆえのへりくだりから来る 静かな慄きと沈黙へと化すこともある。」 ルドルフ・オットー(Rudolf Otto) 1869-1937年 ドイツ人 哲学者 宗教学者 『聖なるもの』 "Das Heilige" 原書、初版1917年 最終改訂版1936年 引用は、久松英二訳・岩波文庫(2010年新訳)。(p.31-32)。 宗教学のエリアーデ、心理学のユングは、オットーの影響を受けている。
by pippinrose
| 2010-12-22 09:06
| 活字
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Comments(5)
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harukob1 at 2010-12-22 21:52
numinose、、「聖にして非合理的なもの」と哲学用語として、ドイツ語の辞書にありました。
難しいですが、わかるような気がしました。 宗教の世界で、涙を流したり、恍惚状態になる、、、見たことがあります。危険だなぁ、と思います。 >へりくだりからくる静かな慄きと沈黙、、、 私は好きではありませんが、よく目にします。 ユングが影響を受けているんですね! ジュリア、すばらしい色ですね、、、
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ぴぴん
at 2010-12-23 09:48
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はるこさん 辞書に載っているのですね。
神を「善意」「理性」「権能」などの、人格的な特性を示す用語で捉える、 「合理的」神理解から、外れる部分を検討しようというのが、 「ヌミノーゼ」という用語を作ったオットーの意図です。 >涙を流したり、恍惚状態になる、、、見たことがあります。 >危険だなぁ、と思います。 芸術、大自然、その他の体験として、そうなることはありますが、 すべて、日常をつつがなく送らせている枠が外れるという意味で、 危険ですね。 それを体験したあとで、どのような枠に入り直すか、というところが、 次の危険です。 >私は好きではありませんが、よく目にします。 台風の後のすさまじい夕陽などを見た時に、ひとのちっぽけさを感じ、 ひとの造れないもの、わたしを生み出すに至った大きなものへの、 畏怖におののくことがあります。 わたしはそれが、好きかどうかと考えたことはありませんでしたし、 いま考えてみても、好き嫌いの判断はできない感じがします。
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ぴぴん
at 2010-12-23 09:50
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はるこさん つづきです。
「ヌミノーゼ」は、ユング心理学の用語辞典にも載っていて、 わたしは以前はこれが、純粋にユング心理学の用語だと思っていました。 「すべての宗教のうちに」という問題意識は、 ユングが「集合的無意識」を唱えたのと同じ問題意識ですし、 エリアーデの「宗教史学」の業績につながるものだと理解しています。 この時期のバラは咲き進まないので、このジュリアは、 この、ちょっと動物の皮めいた肌合いのまま、散って行きました。
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mohariza6 at 2010-12-24 00:58
<静かな慄きと沈黙へと化す>ものは、
人間を<無>へ導くもので、 個の人間から、<人間らしさ>を奪うものように思います。
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ぴぴん
at 2010-12-24 08:56
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moharizaさん ほぉ〜! そう思うんだ、と思いました。
「静かな慄きと沈黙へと化す」の主語は、 その人自身が体験している「感情」です。 そういう感情をある時抱くことが、「人間らしさを奪う」というのは、 わたしにはなんだかピンと来ません。 何を「人間らしさ」と思うか、が、 わたしとは異なってもいるのかもしれませんね。
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