by pippinrose
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2011年 12月 12日
英国の宗教学者、カレン・アームストロングの著作、
『神の歴史/アブラハムから現代まで:四千年にわたる神の探求』。 古代メソポタミア、古代ギリシャ、 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、仏教。 十九世紀の無神論者、二十世紀の神学者。 「人間が神というものをどのように考えてきたか」についての、 五百四十頁にわたる大部の著作である。 西洋の神の考え方に関する考察が焦点なので、 東洋の宗教や哲学には多くを割かれてはいない。 しかし、現代の西洋にはななじみが薄いだろうが 強く影響を受けた時代のあるイスラム教については詳しい。 現時点での各宗教や立場の説明を対立的に羅列したり、 年号の数が増え神を捨てるのが進化だという話ではない。 膨大な知見を横断的に検討し整理する知性に圧倒される。 時代と文化を越えて、人類は延々と神について考え続けている。 ユダヤ・キリスト・イスラム教の神秘主義者、 プラトン、フッサールの考え方の類似が、わたしには面白く、 自分はその流れにある考え方の持ち主だということが確認できた。 こういう本がベストセラーになり、 ペーパーバックで版を重ねCDブックにまでなる、 欧米との文化の違いを感じると同時に、 原著の発表から二年後には翻訳されて、 十六年経っても絶版になっていない日本の文化にも感心する。 カレン・アームストロング著 高尾利数訳『神の歴史』 柏書房 1995年 Karen Armstrong “A Historyt of God: From Abraham to the Present: the 4000-year Quest for God”, Heinemann, London, 1993.
by pippinrose
| 2011-12-12 06:53
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Comments(2)
Commented
by
aosta
at 2011-12-15 07:08
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カレン・アームストロング・・・
聞き覚えのある名前だと思いましたら「楽園を遠く離れて」を読んでいました。確か同じ柏書房だったかと思います。 もうずいぶん前の事なので、詳しい内容は忘れてしまいましたが、強い印象を受けたことを覚えています。 これを機に、「神の歴史」と合わせて読んでみようかという気になりました。 つい先日村松剛の「ユダヤ人」(中公新書)を読んだところです。 民族と宗教、ユダヤ教とキリスト教、、ちょうど良い機会に、良い本を紹介してくださってありがとうございます。
Commented
by
ぴぴん
at 2011-12-15 10:53
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aostaさん 良いタイミングだったようで、何よりです。
初めて聞くイスラム教の用語へのとまどいもあり、 著者の思考の射程が広いこともあって、 簡単に読める本ではありませんでしたが、とてもおもしろい本でした。 わたしは『楽園を遠く離れて』は、読んでいませんが、 著者の本はもう何冊か読んでみようと思っています。 今日あげた『子どもの神秘生活』も、 児童文学に親和性のあるaostaさんにおすすめです。 こちらの方がずっと読みやすいですし。
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