by pippinrose カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 最新のコメント
記事ランキング
ブログパーツ
|
2012年 09月 24日
7月から読んでいる、ユングの『ヴィジョン・セミナー』。
1930年から34年にかけて、隣国ドイツでナチスの勢力が増して行く期間に、 スイスで行われていたセミナーの記録である。 同時に読んでいる『ユングの文明論』にも、 二次大戦の前後に書かれた小論文がある。 戦争に関する読書をしようと思っていたわけではないのだが、 両書を読むうちに、 現在の極東の状況に重なる部分が浮かび上がって来て、 薄気味の悪さを感じている。 昨日読んだ『セミナー』では、 経済等の国際化が進んだ時代に戦争はあり得ないと、 第一次世界大戦前には思われていた、ことが語られていた。 wilkipediaによると、第一次大戦の原因には、 戦争記憶の風化、ナショナリズム、未解決の領土問題、 複雑な同盟関係、統治機能の空転と分解、 外交通信の遅延と意図の誤解、 軍拡競争、軍事計画の硬直性、 といった要因があったという。 やはり薄気味悪くなる。 戦う価値のある唯一の戦いは、影のもつ圧倒的な力と衝動に対する戦いであると、 『文明論』の中の「影との戦い」で、ユングは語っている。 そのことについて考えながら、この危機の時を送っている。 『ヴィジョン・セミナー』 C.G.ユング著、クレア・ダグラス編、 氏原寛・老松克博監訳、創元社、2011年。 『ユングの文明論』 C.G.ユング著、松代洋一編訳、思索社、1979年。
by pippinrose
| 2012-09-24 10:12
| 活字
|
Comments(2)
死を目の前にした時、人間は喜びや幸せ、自由、
という気持よりも、「痛み」を選んでしまう いきもの なのでしょうか、、 影との戦い、、、
Commented
by
ぴぴん
at 2012-10-12 19:30
x
はるこさん そうとは限らないと、ヴィクトール・フランクルは言っているし、
終末期ケアの関係者からも、そういう話はちらほら報告されていますね... 外国と戦争するより、国内で政争していた方がよく、 自分の影を他者に投影せず自分のものとして戦うのがもっといい、 というユングの説は、穿っています。 うちの知事には、国内の問題を蹴散らす意図が、 あったんだかなかったんだか...
|
ファン申請 |
||