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2015年 02月 11日
昨年秋に出た、歴史社会学者小熊英二の対談集。
2010年から13年に各雑誌に載った対談をまとめたもの。 「対談というからには、やはり相互のやりとりが大切だ。 お互いに共通の認識や基盤があることは重要だが、 意見の違う部分を交換して、一人では至れない地点に 発展させるプロセスがもっと重要である」(p.362. あとがき)。 この通り、掲載された9本の、 震災前後の日本への問題意識を持った人たちとの対談録は、 どれも発見があって刺激的だが、中から一点。 震災後の論壇について、小熊氏の指摘。 「〈日本が変わる〉といっていた人の大部分は、 前から言っていることを繰り返していただけでしたね。 これを機に新しい公共性ができるという人は、前からそういっていた人だし、 震災復興を自由化で進めようという人は前からTPP賛成といっていた。 〈日本人はだめになった〉といっていた人は相変わらずそう言い続けているし、 〈被災地にボランティアに行け〉という人は前から 〈若者は軍隊に行け〉といっていた人です」(p.30)。 * * * * 軍隊とボランティアの話が興味深い。 日本で「公私」と言う時の「公」は、 英語で「public/private」と言う時の「public」と違い、 「公」と「国」が直結する、という話を連想する。 危険な地に赴くジャーナリストの窮地を、 人に迷惑をかけたように言ったり、 旅券を取り上げて行かせないようにすること。また、 「公共放送」を「公放送」だと思う人も、 「公共」の価値の認識が弱いのだろう。 ところで、ボランティアに「行け」と 言った人自身は行ったのだろうか? 小熊英二『真剣に話しましょう』新曜社、2014年。
by pippinrose
| 2015-02-11 12:44
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