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2007年 12月 27日
現代の作曲家で、時折無性に聴きたくなるのは、
エストニア出身のアルヴォ・ペルトだ。 二十年ほど前。 新聞の音楽評を読んで初めて買ったペルトのCDは、『タブラ・ラサ』。 ギドン・クレーメルのヴァイオリンとキース・ジャレットのピアノによる 『フラトレス』も、気に入った。 大学時代の友人に「このCDいいよ」と聴かせたが、返って来た感想は、 「これのどこがいいのかわからない」だった。 それに対して「ここがいいのだ」と説明する能力はわたしには無く、 しおしおと引き下がった。 その後、数年経って、CD店で『アルボス(樹)』を見つけた。 一曲目・表題曲の、いきなり鳴り響く銅鑼に驚き、 雪景色の中の無数の針葉樹の森を前にしたような幻を見て、 後にはそれが、無数の枝を持った一本の巨大な樹木に見え、 目が回って吐き気がした。 聖書のことばを作曲した声楽曲も多いが、 ことばの意味は判らずとも、祈りに導かれる音が響く。 人間関係の渦に倦み疲れた時、その音の中に身を置くと、 わたしの中でなにかが回復する。 わたしは相変わらず、音楽を理論的に語ることばを持たず、 音楽を聞いた時の自分の反応しか、語ることができない。 ただ、ペルトの音楽をいいと思わないひとがあっても、 べつにしおしおすることは無い、ということだけは、 今は、わかっている。 レッド・ネリー紅葉。 アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt) 1935年、当時は独立共和国であったエストニアに生まれる。ドイツ在住。作曲家。 エストニアは1940年以降91年まで、ソ連ーナチスドイツーソ連の占領下に置かれる。 1970年代、西洋古楽に源を持つ「ティンティナブリ」(鈴声)様式を創作。 以後、聖書をモチーフにした宗教音楽を、多く作曲している。
by pippinrose
| 2007-12-27 09:26
| 聴覚
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Comments(8)
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きんぎょ。
at 2007-12-27 15:14
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特定の相手にとどまらず・・・
以前は、「言ってくれなくちゃわからないよ」、って思ってたわたしは、 今ではどんなに言葉を尽くしても“ぴったりおんなじように”伝わりはしないのだということを知りました。 それから、 共感というものは、もしかしたら思い込みでしかないのかもしれないけれど、 合致する瞬間も決して少なくはないに違いないことも思います。 ぴぴんさんが時におっしゃる“落としどころ”、これが目下のわたしのキーワードになっています。 自分のこころを鎮める術をそろそろ会得しないと。 このところ、時の過ぎるのがとても早いのに、わたしはといえば突っ立っているだけなんて情けないなあ、なんて^^
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saki
at 2007-12-27 17:22
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本題の方ではなくギドン・クレーメルに反応してしまいました。
ちょっとクセのあるそのヴァイオリンが好きでしてね。 ピアソラのカヴァーもやっておられましたが、「Le Cinema」というCDがあって、チャップリンなどの映画のサントラなどを演奏しているのですが、良かったです。以前ぴぴんさん、スマイルの曲のこと書いてらしたで しょ? あの曲もやってますよ。 それとレッドネリーですが、ピンピネリフォリアには赤の色素がないので、 ほかの節との交配であろうと推測されると、この間専門家の方に習いました。
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ぴぴん
at 2007-12-27 18:13
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きんぎょ。さん ひとはみんなそれぞれなので、ぴったり同じは不可能というか、
自分のことすら、ある瞬間はこう次にはこうと、「群盲象を語る」状態です。 ただ、ことばは、ひととのやりとりに、不十分であろうと重要な道具で、 「言ったってわからない」ではなくて、なんとか使いこなして、 伝えたい・伝わるものを受け取りたい、とは思っています。 共感については、わたしが「共感した」と思うだけでは不成立で、 相手も「共感された」と思った時に、一応成立するものかなと、 思ってます。 共同幻想であったとしても、その瞬間の純粋さは、なかなか得難く、 味わい深いと思います。 状況や、相手や、自分自身との兼ね合いで、その時の「落としどころ」を探り、 落としておく。 その落としどころがまずければ、ちゃんと後に復活して来ますし、 まずいかなと思っても、案外きちんとそこで収まっていることも多いです。 まぁ、きんぎょさんが突っ立っているだけとは、とても思えませんが、 今の自分によりなじむ、新しいパターンの探索は、面白いところがあるのでは。 と、ややランダムな連想でした。 面白いところだけ取ってください。よろしくお願いします。<(_ _)>
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ぴぴん
at 2007-12-27 19:09
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sakiさん 「Le Cinema」「Tracing Astor」など、持ってますが、
あのヴァイオリン演奏と、「スマイル」が結びついていませんでした。 「スマイル」って書いてあるのに。我ながら、何でしょうか??? あとですね、クレーメルで時々聴きたくなるのは、シューベルトの「魔王」を、 ヴァイオリンソロに編曲したのを弾いているCDです。 sakiさんは聴いたことがありますか? ちょっと無茶ですが、奇妙な味があり、嫌いになれません。 レッドネリーは「ハイブリッド・ピンピネリフォリア」でいいんでしょうか? 花色赤のものはピンピネリフォリアに分類されないという意味ですか? 理解が悪くて済みませんが、もう一押し、教えてくださると助かります。
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saki
at 2007-12-27 22:39
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クレーメルの「魔王」ですか! それこそつながるのを想像しがたいような・・・うむむ。聴いたことありません。そういえば、純粋にクラシックを演奏しているクレーメル は聴いたことありませんでした。 ほ〜。
あ、レッドネリーの件なんですが、ハイブリッド・ピンピネリフォリアってことでいいとおもうんですよ。 花色赤のものはピンピネリフォリアに分類されないっていうより、ピンピネリフォリア節、節をちゃんとつければよかったですね。原種、野生種だけじゃないですか、節に入るのは。 御巫さんが花色解析した結果、ピンピネリフォリア節にないシアニジン 3ーグルコシドというのがレッドネリーにはあったそうなんです。 シングルチェリーと同じとどこかで読みましたが。たしか。
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ぴぴん
at 2007-12-28 09:24
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sakiさん >純粋にクラシックを演奏しているクレーメルは
>聴いたことありませんでした。 えっ、そうなんですか。なるほど、そういうものかもしれません。 映画『無伴奏「シャコンヌ」』の、サントラ版なんて、いいかもしれません。 ただ、中古でやたら高値が付いているのが難ですが。 >原種、野生種だけじゃないですか、節に入るのは。 えっ、そうなんですか。知りませんでした。 他の節からでないと無い赤だ、ということで、了解しました。 香りも変ですからね、レッドネリーは。遠い血筋との混血なんですね。 情報、ありがとうございました。
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saki
at 2007-12-28 11:44
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朝になってちゃんとつけくわえなくちゃということがありました。!
レッドネリーはロサ・スピノシッシマの交配種ということで、ハイブリッド・スピノシッシマ と呼ばれますね。ハイブリッド・ピンピネリフォリアといういい方にはならないようですね。 では、ピンピネリフォリアとスピノシッシマの関係性はどうなのだというと、うまい説明をつけられるひとはそう多くはないのではないでしょうか。 バラ属野生種の分類をみかなぎさんはレーダーの分類に従っていて、そこではピンピネリフォリアが使われているということです。 スコッツローズの研究で今世界でも一番されている方は Peter Boyd氏であることは確かなようで、今年「国際ヘリテージローズ会議」でも講演したようです。かれはホームページも持っていますが、ぴぴんさん、翻訳しない?な〜んちゃって。
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ぴぴん
at 2007-12-28 15:55
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sakiさん >ハイブリッド・ピンピネリフォリアといういい方には
>ならないようですね。 あっ、そうですね。いつも間違えてしまいます。 自分がぴぴんなもので、ついピンピをひいきしてしまいます。^_^;) Peter BoydさんのHP、行ってみました。なかなか広大ですね... 翻訳に取りかかった本に難儀していて、そうそう手を広げられないです。 時々訪問して、情報仕入れましょうかね... ご紹介、ありがとうございました。
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