by pippinrose カテゴリ
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2007年 12月 28日
CD『アルボス(樹)』の、ライナーノート冒頭に、
松尾芭蕉の俳句と、その英訳が挙げられている。 The temple bell stops but the sound keeps coming out of the flowers. (訳者不詳) 鐘消えて 花の香は撞く 夕べかな (松尾芭蕉) 芭蕉の句を誰が訳したのか、また、 誰がこの句を載せようと決めたか。 わからないが、この句はペルトの音楽を、 実によく言い表している。 鐘の音は止まる しかし響き続ける その花々の間から (上記英訳をぴぴん訳) この句に続き、献辞が成される。 In memory of Andrei Tarkowskij アンドレイ・タルコフスキーをしのんで タルコフスキーは、ソ連の映画監督。 ペルトと同世代だが、早くに亡くなった。 約二十年前、わたしの大学卒業の頃、 最新作の『サクリファイス』が、遺作として上映された。 『惑星ソラリス』や『ぼくの村は戦場だった』は既に見ていたが、 『サクリファイス』には夢中になった。 千石の「三百人劇場」が、彼の作品の特集をした時には、 そのメイキング版も見に行った。 ペルトが彼に自作を捧げたと聞けば、なるほどと思う。 ふたりに共通するものというと、 その祈りの声だろうか。 今朝新聞で、パキスタンのベジナル・ブット暗殺の報に接した。 本当かとテレビを点けると、 アフガニスタンのカルザイ大統領が、悔やみの声明を述べていた。 本当に、殺されていた。 嫌な世界だ。 タルコフスキーの映画『ノスタルジア』では、 ひとりの男が、蝋燭の炎を守りながら、 この場所から、あの場所まで、歩き通そうとする。 風に吹き消され、吹き消されながら、やり遂げようとする。 それに意味があるかどうかは知らない。 ただ、せずに居れない。 祈りとは、そういうものだ。 ブットの死が、せめて、暗殺者の思惑を越えた意味を持ちますように。 この春蒔いた、ぴぴんローズ1号の紅葉。 (ロサ・ピンピネリフォリア×ルイ14世)。 これで花が良ければ、名前をつけてやりたい。
by pippinrose
| 2007-12-28 08:59
| 聴覚
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