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2007年 05月 08日
聖書に由来した名を持つバラは多いが、メアリマグダレンもそのひとつ。
咲き始めから散るまで容姿が変化し続け、常に別の美しさを持っている。 「しあわせ色」と呼んでいる、光を抱いたアプリコットから、 咲き終わり、弁低にレモンイエローを掃いたアイボリーまで。 カップ&ソーサーやロゼッタになった後、ゆるくうなだれて来たと思うと、 ある瞬間、「ざっ」と、花全体が散る。 この散り際を見ると、 聖書の「わたしに触れるな」のことばと、 フラ・アンジェリコの画が思い浮かぶ。 十字架にかけられ葬られたイエスの墓に、 マグダラのマリア(メアリ・マグダレン)が訪れると、 墓を閉じる石が取りのけられ、イエスの身体が無い。 マリアが泣いていると、声をかける人がある。 初めは、それが誰であるかわからないが、 「マリア」と名を呼ばれると、「先生」イエスであることが分かる。 マリアは駆け寄ろうとしたのだろう、イエスは言う。 「わたしに触れるな」 “Touch me not” ヨハネ福音書にあるこのことばを最初に聞いた時、 なぜ禁じるのだろう、不人情だと思った。 神に人情を求めるのもおかしなことだが。 「わたしにすがりついてはいけません。わたしはまだ父のもとに上っていないからです」 “Do not cling to me; for I have not yet ascended to My Father.” 新しい翻訳を知って、また違う思いが沸いたが これにどういう意味があるかを語るのはわたしの任ではない。 ただ、今朝もわたしが近寄りざま一気に散ったメアリを見て、 「触れられないもの」について思いが巡った、ことを記す。 全ての花弁が揃った状態から、一瞬でこの姿。
by pippinrose
| 2007-05-08 09:11
| 植物
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